嘉之助(かのすけ)シングルモルトは、日本のウイスキー界でも注目されている銘柄の一つです。その独自の風味や品質の高さから、多くのウイスキー愛好家に愛されています。
一方で、まだまだ年数としては浅いため、「本当に美味しいの?まずいんじゃないか…?」と疑っている方もいるでしょう。
結論から言うと、嘉之助のシングルモルトは可能性を感じさせてくれるウイスキーと言えます。今のままでも美味しいですが、将来はもっとすごいのが出てきそうだという感じです。
今回は、嘉之助シングルモルトの評価と特徴について詳しく解説します。
実際に飲んでみたレビューや定価について、ほかにおすすめのウイスキーについても触れているのでぜひ最後までお付き合いください。
嘉之助のシングルモルトは一時期ハマってしまい、文字通り毎日飲んでいました。
そもそも、嘉之助蒸留所とは?
嘉之助蒸留所は鹿児島県の日置市に設置されている蒸留所です。
稼働は2017年からと最近できた蒸留所ですが、嘉之助からリリースされるウイスキーは世界的に注目を集めるようになりました。
3基のポットスチルを使うのが特徴で、「メローなウイスキー」をコンセプトにウイスキーづくりをしている蒸留所です。
後ほど詳しくご紹介しますが、コンセプトそのままに柔らかくて、豊かな甘みを感じられるウイスキーを世の中に送り出しています。
嘉之助シングルモルトの評価と定価について
上記で紹介した通り、嘉之助蒸留所は2017年に稼働したばかりで、嘉之助シングルモルトが世の中にリリースされたのは2021年が初でした。
こちらはファーストエディションという名前で発売されましたが、ジャパニーズウイスキーへの注目が集まっていたことも相まって高い評価を受けました。その後はリミテッドエディションとして2022年、2023年にも発売がなされています。
そのあと、2024年に定番のボトルとなる嘉之助シングルモルトが発売。リミテッドエディションで期待が高まっていたこともあり、こちらのボトルも多くのウイスキーファンが手に取り、そして高い評価を与えています。
現在、嘉之助シングルモルトとして手に入れやすいのはこちらの2024年発売のモデルです。
白を基調としたラベルに沈む太陽が描かれた、和風モダンなデザインが美しいですね。嘉之助蒸留所があるのが日置なので、日置=Sunsetに掛けてこのデザインが生まれたそうです。
定価は税込みで9,900円と結構高めの価格設定となっていますが、昨今のジャパニーズウイスキーの値上げ事情も考えると致し方ないのかもしれません。
嘉之助シングルモルトはまずい?
ネットで検索してみると次のような意見も見受けられます。
・「嘉之助はまずい」
・「定価に見合っていない」
実際のところはどうなのでしょうか。
まず「嘉之助がまずい」という方に関しては、「本当に飲んだことがあるのか?」と疑うレベルです。冒頭でも言ったように、私は毎日飲んでいたくらい気に入ったボトルです。
味わいについては、熟したバナナのような甘さが特徴的で若干のアルコール感を感じますが非常に美味しいです。年数表記がないウイスキーですが、完成度は高いと思います。
もちろん、ウイスキーの好みというのは人それぞれですので100人が100人美味しいと思うことはないと思いますが、100人中80人は納得する味だと思います。
一方で、「定価に見合っていない」という意見には私も半分くらい頷いてしまいます。
ジャパニーズウイスキー、しかもいわゆるクラフトウイスキーである以上、値段が高くなってしまうのは仕方ないことなのですが、1万円近くとなるとちょっと高いですよね…
これが10年ものとかでしたら別なのですが、普通の感覚で考えるとNV(ノンヴィンテージ)でこの価格は購入をためらいます。安定した価格で購入できる長期熟成スコッチもあるため、それらと比べるとどうしても割高です。
ただ、熟成年数が浅い割には非常に完成度が高いウイスキーではあるので、将来的に年数表記がなされる長期熟成ボトルが出たら人気は一層爆発すると思います。
その将来性も込みで考えると、非常に応援したくなるウイスキーですあることは間違いありません。私も頻繁には購入できませんが、定期的には購入して楽しみたいボトルの1つです。
嘉之助シングルモルトの特徴と味わい
嘉之助シングルモルトの特徴は先ほどもお伝えした通り、メローなウイスキーです。その味わいについては次の4項目から詳しく見て行きたいと思います。
香り(Aroma)
一番に感じるのは蜂蜜のような甘い香り。その中にプラムのようなフルーティーさとニッキのような香りが感じられるのが面白いです。
他の表現で言うと、少しハーブのような味わいがアクセントにあるという感じでしょうか。とはいえ、嫌な感じは全くしません。
味わい(Palate)
甘味が強く、スパイシーな感じも出てきます。やはり一番に感じるのは完熟したバナナのような強い甘みです。
全体的には優しく調和が取れており、まさに水平線に夕陽が沈んでいくような柔らかい口当たりがします。
フィニッシュ(Finish)
甘さとスパイシーさが長く続き、少し樽を焦がしたような感じが出てきます。アルコール感を少し感じますが、総じて柔らかい印象が長く続きます。
色(Color)
明るめの琥珀色です。色味もメローな印象を受けて、ボトルを眺めながら飲むとよりウイスキーを美味しく感じられる気がします。
嘉之助シングルモルトのおすすめの飲み方
個人的にはハイボールが一番おすすめで、その次にロックが良いかなと思います。
ハイボールは非常に相性が良くおすすめです。蜂蜜やバナナといったような甘めの薫りと味わい+スパイシーさがあるのでゴクゴク飲みたいハイボールに仕上がります。
元々アルコール度数は48%あるので、ソーダで割ってもブレることなくウイスキーの美味しさを楽しむことができますし、熟成年数の低さからきているアルコール感は全く気になりません。
ウイスキー初心者や甘いものが好きな方、女性の方にもおすすめできる飲み方だと思います。
ウイスキーを飲み慣れている方ならオン・ザ・ロックもおすすめの飲み方です。
ストレートでも美味しく頂けるのですが、舌への刺激が若干強いようにも感じるので氷を入れることでバランスがより良くなると思います。
嘉之助が目指している「メローさ」を味わいたいなら、ロックでちびちびとやるのが一番ですね。沈む夕日を見ながらグラスを傾けるのは乙なものです。
嘉之助シングルモルト好きにおすすめのウイスキー
嘉之助と同じ系統に属するウイスキーを紹介したいと思います。どれもおすすめのウイスキーですので気になる方はぜひ一度試してみてください。
オールドプルトニー12年
嘉之助の持つ蜂蜜のような甘さが好きな方に試してもらいたいウイスキーです。
蜂蜜やバニラのような甘さが際立ち、また潮っぽさやフルーティーなフレーバーが良いアクセントになっているウイスキー。
ハイボールにしても青リンゴのような果実感が爽やかで美味しい1本です。
モンキーショルダー
嘉之助の持つ完熟バナナのような感じが好きな方は気に入ってもらえるボトルだと思います。
日高屋などでも見かけるホワイトホースのキーモルトになっているウイスキーでもあり、やはりハイボールとの相性が良いウイスキーです。
ここでは語りませんが名前の由来もおもしろいウイスキーですので、話のネタにもなりますね。
シーバスリーガルミズナラ
スパイシーな感じをより追い求めたいなら、こちらが手を出しやすいと思います。
ハイボールで飲むと炭酸とスパイシーさが見事に調和して美味しいです。料理にも合わせやすいので、食中酒としても非常におすすめできます。
シーバスリーガルミズナラ12年・18年の味や特徴は?ハイボールに最適のボトルです。>>
まとめ
嘉之助シングルモルトは少々値が張るものの、甘くて柔らかく非常に美味しいウイスキーだと思います。
また、熟成年数が浅いいまでもこの美味しさなので、ポテンシャルを秘めています。今後長期熟成が発売されたら人気は益々高まると言えます。
ウイスキーの値上げが続いてちょっと購入をためらうレベルですが、蒸留所を応援するためにも手に取ってみてはいかがでしょうか。
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