ザ・ニッカテーラードはその名の通り、ニッカを代表するブレンデットウイスキーです。
余市ヘビーピーテットモルトと宮城峡シェリー樽モルトという豪華なモルトをブレンドして作られたウイスキーなのですが、世間的な評価はお世辞にも高いとは言えない状況です。
2024年4月からは値上げもあり、定価が6,500円から8,500円になったのも相まって、より人気が無くなってしまうのではないかと心配している1本です。
ですが、一言で言えばこのザ・ニッカは誰でも楽しめる非常に美味しいウイスキーだと思います。
この記事ではザ・ニッカテーラードにはどんな特徴があるのか、また、なぜ酷評されがちなのかについても解説していきます。
合わせておすすめのウイスキーも紹介しているのでぜひ最後までお付き合いください。
ザ・ニッカテーラードの特徴と価格帯
ザ・ニッカテーラードの特徴は何と言っても、余市と宮城峡のモルトをブレンドし、カフェグレーンで割っていることにあります。
とにかくブレンデットウイスキーの良いところが出ているボトルだと思います。
全体的には甘い香りと味わいが目立ちますが、ほとんど癖はなく、余市由来のピートがアクセントになって全体が調和した美味しいウイスキーに仕上がっています。
イメージとしては高級なレストランで出てくるバニラのアイスクリームという感じです。甘いウイスキーが好きな方は楽しめると思います。
希望小売価格は8,500円に値上がりしてしまいましたが、探してみるとまだ7,000円台で売っているところもあるようです。
品薄という情報もありますが、他のジャパニーズウイスキーに比べればまだ全然手に入れやすいです。
ただ、実際の店舗で頻繁に見かけるお酒ではないので、飲んでみたい場合はネット経由で購入するのが良いかと思います。
ザ・ニッカテーラードが不人気の理由は?
先ほども少し触れたように、ザ・ニッカテーラードは美味しいのにあまり人気がありません。
その理由として挙げられるのは、「ザ・ニッカテーラードはザ・ニッカ12年の劣化版」という認識が少なからずあるからです。
ザ・ニッカ12年というのは、既に終売になっているウイスキーでテーラードの前身にあたります。
発売期間は2014年から2019年とのことで、まだウイスキーにそれほどハマっていない時期だったので私も飲んだことはありません。
ただ、テーラードと12年を飲み比べた方によると、やはり12年の方が熟成年数の差か美味しく、スムースだと言います。
このように、前身のモデルが評判であったために、それを知る人からは「味が落ちた」とみなされてしまうことが多いようです。
そうはいっても、飲み比べたことがない方からすれば偏見なく素直に美味しいと感じるウイスキーだと思います。アルコール感も強くないので、初心者の方も十分に楽しめそうです。
ザ・ニッカテーラードの味わい
ザ・ニッカテーラードの誤解も解けたところで、その魅力はどこにあるのかをもっと知ってもらいたいと思います。
ここでは香り・味わい・フィニッシュ・色味の4項目から説明してみます。
香り
ザ・ニッカテーラドの香りは、熟した果実の甘さや花の香りが特徴的です。特に桃やりんご、シトラス系の柑橘類の香りが感じられます。
また、バニラやハチミツのような甘い香りも広がり、華やかで心地よい香りが楽しめます。
味わい
味わいは柔らかで滑らかでありながらも、豊かで複雑な味わいが感じられます。最初に感じるのは甘みがあり、蜂蜜やバニラのような甘味が口の中に広がります。
次に現れるのは、スパイシーなニュアンスやオークの香りが調和し、深みのある味わいを演出します。
フィニッシュ
フィニッシュは長く続き、滑らかでまろやかな後味が残ります。甘みやスパイスが余韻として口の中に残り、心地よい余韻が楽しめます。
フィニッシュの繊細さやバランスの良さが、ザ・ニッカテーラドの魅力の一つです。
色味
ザ・ニッカテーラドの色は、琥珀色から濃い琥珀色の中間程度で、深みのある美しい色合いが特徴です。
ボトルに注がれたウイスキーを見るだけでも、その深い色合いが高品質なウイスキーであることを感じさせます。
ザ・ニッカテーラードのおすすめの飲み方
ザ・ニッカテーラードは、ストレート・ロック・ハイボールとどの飲み方でも美味しく頂けるポテンシャルがあると思います。
ストレートではアルコールの刺すような感じが気になるという方も多いと思いますが、このウイスキーはそういった刺激は本当になく、非常にスムースな舌触りです。
バニラや蜂蜜のような香りと複雑な味わいをダイレクトに感じることができる飲み方ですので、ぜひ試してみてください。
ロックにするとよりまろやかで飲みやすくなりますが、味わいという点ではストレートの方が好みの飲み方でした。
また、ハイボールもおすすめの飲み方です。
炭酸で割ると余市由来のピートの感じが立ってきて、甘い中にも燻製のような香りがハッキリと感じられる美味しいハイボールになります。
後味はスッキリとしていて料理にも合わせやすいので、食事と一緒に楽しみたいという方はハイボールを試してみてください。
ザ・ニッカテーラード好きにおすすめのウイスキー
このウイスキーを気に入ってくれた方には、ほかにも下記のウイスキーがおすすめです。
響ジャパニーズハーモニー
響もザ・ニッカと同様にジャパニーズのブレンデットウイスキーです。
響も2024年4月からの大幅な値上げに加えてプレミア価格が付いており、現状15,000円ほどの値段になっていますが、とても美味しいのは間違いないです。
正直、響とザ・ニッカのどちらか1つを選べと言われたら響を選びますね。もちろん、響のプレミアに引っ張られているところもありますが、それだけ美味しいウイスキーです。
系統はザ・ニッカと同じようなバニラの香りが強く、甘いテイストのウイスキーが好きな方には強くおすすめできます。
余市
余市もニッカで作られているウイスキーで、ピートの薫りが特徴的なウイスキーです。
このフレーバーはザ・ニッカにも表れていますが、個人的にはアイラほどピートが強くなく、日本人向けのウイスキーだと思います。
余市はハイボールよりもストレートで飲む方が深い味わいを感じられて好きです。
残念なのはこちらも価格の改定が入り、4,950円から7,700円に値上げしてしまったのですが、定価なら1本購入するのはアリだと思います。
ニッカフロムザバレル
言わずと知れた人気の商品です。
そもそも定価で手に入れることがネット上ではほぼ不可能ですが、それだけ美味しいウイスキーです。
こちらはブレンデットウイスキーですが、アルコール度数は51%とかなり高く、しっかりとしたボディはシングルモルト以上。
アルコールの刺激が強いので、ハイボールがおすすめ。ソーダに決して割り負けない濃厚な味わいを楽しむことができます。
まとめ
今回はザ・ニッカテーラードについて、特徴や不人気とされている理由、その他おすすめのウイスキーなどを紹介しました。
あんまり評判がいいとは言えないウイスキーですが、初心者でも飲みやすいように調整されており、どんな飲み方でも楽しめるポテンシャルがあります。
特にハイボールなどは料理にも合わせやすく、ジャパニーズの中では手に入れやすいウイスキーではあるので1本お手元に置いておくのはいかがでしょうか。
また、ニッカの中ではこちらも不遇の扱いを受けているニッカ・セッションとの飲み比べセットもおすすめ。セッションも(ボトルデザインは正直終わっていますが)味は非常に完成されているので、ぜひ手に取ってみてください。
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